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頭のいい子に育てたい!?
これから大きくなっていくわが子に対して学力面での願いが芽生えてくるのは、親として自然なことだと思います。私自身、学習塾を主宰していますが、学校の授業についていけるだろうかという心配から、いい大学に入るために、いい高校、そのためにいい中学、いい小学校と希望される声も、いつの時代も変わらないように思います。

今日お話したいのは、偏差値を究極まで上げる方法というよりも、学力を支える土台についてです。この土台があれば、子どもは伸び伸びとどこまでも育っていくという大切な土台のお話をしたいと思います。

こんにちは。現代文講師の香山です!
今日は言葉の観点から、子育てに関するお話をします。
なぜ、そんな話ができるのか(私の経験から)
私は、小学生から高校生まで、一貫して国語/現代文を教える学習塾を開いています。その学習塾をなぜ開いたのか、そして、その8年の間にどのような気持ちの変化があったのかをお話しします。
1)開塾当初の考え
論理的に読むという「方法」を会得するための塾を開いたのが、この記事を書いている時点から8年前です。それは、私自身が浪人をして初めて受けた出口汪先生の現代文の授業で、目から鱗だったからです。主観的な自分勝手な読み方で自信を持っていた自分のものの見方を180度変えてくれました。大学入試共通テストで現代文が課されているのは、大学に入ってからの学問は全て論文によるからです。書かれたままを正しく読み取り、そして自分も論文を書いて卒業する。客観的で論理的な読み書きの作法を小学生のうちから身につけて欲しい。そうすれば、受験で苦労せずに済むと考えてやってきました。
2)気持ちの変化
受験でうまく立ち回る。このことにどれほどの意味があるのだろうか、と考えました。意味がないわけではない。しかし、それは自身の競争意識からきていることに気づいたのです。人よりも点数を上げたい。順位を上げたい。いい大学に入りたい。そういう競争意識に満足はありません。人は勝ち続けることはないからです。そこに安堵も幸せも見いだせないと感じた時、受験で点数を上げるための論理的読解という狭い見方で子どもに教えることの意味を失いました。
3)これから大切にしたいこと
人に伝えたい気持ちやメッセージがある。これが言葉を考える始まりだと思います。泣く、笑うという感情表現も大切ですが、筋道を立てて自分の気持ちを伝える練習はもっと大切です。他者が意識できると、自分の世界が広がるからです。一方で、自分の気持ちが言語化できないと、人はそれを自分で無視し、やがて心が死んでいきます。私自身が受験の間にそうであった悲劇にようやく気づいたのは、開塾から8年後のことでした。
進学を目指したい生徒は、自分の気持ちを知ることが起点であれば、無理なく学びに向かえます。自分の好きなこと、やりたいこと、世の中への疑問、不思議、課題、提案・・・そういうものが言語化できることで、学びは楽しくなります。世界が具体的に見えて、自分なりの視点で世界が広がります。世界を知ると、愛すべき美しさや存在の愛おしさに気づくので、さらに学ぼうとなります。自分という存在も世界から愛されているとさえ思える。満たされた気持ちは、成長の土台です。
言葉を通して自分の心を捉え、自分を知ったなら、その世界を、言葉を通して広げ、具体に迫り、抽象に戻し、思考を鍛え、さらに世界の美しさや不可思議さ、矛盾、課題を、文章を通して学んでいきます。それは、言語学習を通して豊かな人生を、この世を生きる力を手に入れることを意味します。


大切なのは、気持ちを言葉にできること
塾の生徒を見ながら感じた気持ちの変化で、最も本質的なことは、自分の気持ちを言葉にできる力です。子どもを見ていて、いわゆる「できる子」というのには、2つのタイプがあることに気付かされます。
1)親や先生の期待を察して、「無条件に」その通りになろうと努力する子ども
2)親や先生の期待を察して、「それを自分の気持ちとすり合わせて」生き方を考える子ども
子どもですから、特に小学生のまだ低学年のうちは、自分の衣食住を保証してくれる親に対して素直ですし、愛されたい、褒められたいという気持ちから、親の言動に敏感に反応する子どもが多いように見受けられます。
それはいいのですが、それを無意識に自分の気持ちを無視してまで期待に応えようとする子どもがいます。親からすれば「やりやすい子ども」です。しかし、自分の気持ちを無視しているままであれば、気持ちは閉ざされ(本当の気持ちを言えなくなる)、大きくなっても、自分はどうなりたいのか、何がしたいのか、何が好きなのか、わからない人間になってしまう危険があります。
幼少期にそうさせるのは、ある程度親の責任が大きいと言えます。例えば、親が気分次第で子どもに接して、いつ怒り出すかわからない親に対しては、常に子どもは緊張し、顔色を伺いながら生きるようになります。そうなれば、その子は自分の素直な気持ちに耳を傾けなくなります。親が満足する言葉や言動を優先するからです。「フリ」をする子どもにもなりがちです。(勉強をしているフリ、問題が起きてないフリなど)
気持ちの安定した環境を子どもに保証しよう
親の顔色を伺う子どもになったときに、子どもの思考は親の満足する言動の範囲に限られます。ですから、まず親の気持ちの安定が、子どもの成長には第一です。よく親の笑顔は子どもにとって太陽だと言われますが、いつも笑っていられなくても、少なくとも安定した気持ちで子どもと接することが第一。
その上で、感情的なやりとりではなく、筋道を立てて会話のやりとりができることが、子どもの成長に良い影響を与えているように感じます。感情的で短絡的なやりとりが目立つ環境では、子どもの言語脳の成長は限られるように見受けられます。
日常生活に学習の言葉を持ち込もう
話になりがちだというお悩みも寄せられます。そういうときに、私がアドバイスをしているのが、「日常生活に学習の言葉を持ち込もう」ということです。
ある小学校では、毎日、国語の教科書の音読が宿題に出るそうです。それも、親に披露する格好で読んで、親は感想を子どもにコメントするそうです。家庭に学習の言葉を持ち込む一つのきっかけとして、うまい仕掛けだと思います。
宿題がなくても、ご家庭で、親子でできそうな問題集を用意して、親子で取り組むことをおすすめします。その際、まずは、子どもが自分の気持ちをきちんと言語化できているかを見ることができる内容のものをおすすめします。それが問題なければ、次に学習に踏み込んだものを用意しても良いですが、まずは、気持ちの言語化です。
まだ幼稚園、小学校の親御さんにとって、子どもの成長はこれから10年以上にわたります。その起点に、「親や先生の顔色を伺わずに、自分の気持ちを言葉にできる子ども」にしてやることは、その後の子どもの心の成長の土台となります。その土台の上に、学力の成長があります。これが、私が8年間塾で生徒を見ながら感じたことです。
親子で一緒に取り組めるワーク的なレッスンがおすすめです!



ほかにも、絵本は気持ちを表す言葉がたくさん入っているので、心を開くのにぴったりですよ!


親のことが嫌いな子どもはいな
子どもはみんな、親のことが大好きです。逆も同じだと思います。しかし、可愛さ余って心配しすぎたり、期待余って感情的怒ったりしていると、子どもはそれでも親に愛されたいと顔色を伺うようになってきます。「嘘を言う子ども」はその一つの現象面だと言えます。子どもが自分の本当の気持ちを伸び伸びと口にできる環境を保証し、日常的にそういう会話があることが、その後の子どもの成長にとって何より大切だと思います。言語活動を土台とした良好な親子関係こそ、学力を支える土台です。



ぜひ、上の問題集などを使って、子どもと心の会話を楽しんでください!


わが子に自分の思いを残してみませんか!
Let’s try!!
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