はじめに
コピーライターとして18年、その10年目からが国語の講師として二足の草鞋をはいて、言葉という観点から、一貫して人間を見つめてきました。コピーライターは、経営者の思いの言語化、学習塾で子どもと向き合う時には、子どもの心と向き合っています。

こんにちは!香山です。
現代文や国語のお話が多かったですが、今日は言葉の前の思考、その前の気持ちのお話をしようと思います。
気持ちが他者に向かって開いている人ほど、生き生きと快活であり、生きやすそうにしています。そういう人は、自分の気持ちを言語化することができています。どう思っているのか、どう感じているのか、何をしたいのか。今食べたいものから、中長期の目標まで、はっきりと、しかし気負うことなく明言し、その通りを生きています。
一方で、そうできない人もいます。これは、大人、子どもの別はありません。大人でも子供でも、心が閉じて、自分の素直な気持ちを口にすることが苦手な人がいます。僕自身は長い間こちら側の人間でしたので、このしんどさはわかります。この記事は、このような状況を少しでも打開したいと渇望する人に向けて書いています。


自分の責任ではない
なぜ、気持ちが閉じたのか?
生まれたままの状態の赤ん坊は、真っ直ぐな瞳で親を見つめ、気持ちを一生懸命伝えます。言葉が出るようになれば、お母さんやお父さんに今日あったことを親に話したいと思うのが自然だと思います。
しかし、それが言えないようになるのは、子どもなりに親の顔色を見るからです。
例えば、
- いつ怒り出すかわからない気分屋の親
- 褒めることをせず会話も少ない親
- 依存症の問題を抱えた親
親子関係にとどまりません。
- 無言で圧力をかけてくる恋人、配偶者
- いつも不機嫌な上司
- パワハラが黙認されて日常的に行われている会社
幼少期の親子関係だけでなく、成長過程や成人後に心を閉ざした人もいると思います。
ジャニーズ性被害を例に
2023年9月7日に、ジャニーズ性被害の問題について、ジャニーズ事務所が記者会見を開きました。その中で、ジャーナリストの松谷創一郎さんが、テレビ局の「忖度」の問題を指摘しています。ジャニーズ事務所を退所したタレント(競合となる相手)のテレビ出演を、テレビ局はジャニーズ事務所に忖度をして取りやめたり、性加害の事実をメディアで大きく取り上げたりすることがなかったのは、テレビ局のジャニーズ事務所への忖度だと指摘しています。(下に記者会見の発言をそのまま引用しています)
日本の経済成長とともにテレビの成長があり、それが熟してもなお、ジャニーズは成長を続けていた、その影に性加害があり(あったと結論づけられ)、組織的な「忖度」が働いていたのだと思います。しかし、ジャニー喜多川氏の死去から少しずつこの問題が表面化し、ついには国際社会の関心事にまでになりました。この記事で焦点を当てている「親や上司に心を痛めつけられた人」には、この「忖度」に通じるものがあるという視点で、この記者会見を取り上げます。
*なお、性被害については断じて許されることではないという認識以上に、この記事では扱いません。この記事では、以下の記者会見で出てきますが、テレビ局のジャニーズ事務所に対する忖度のみを論点とします。
まずは記者会見の抜粋からお読みください。
ジャーナリストの松谷創一郎です。
先日の特別チームの調査報告書では、メディアの沈黙があげられていましたが、こうしたことを招いた根源はやはり、ジャニーズ事務所のメディアコントロールにあったと考えられます。例えばですね、現在もジャニーズのグループがレギュラー出演するテレビ朝日の「ミュージックスターション」には、ジャニーズと競合するグループが出演しにくい状況がいまだに続いています。過去にはDA PUMPやw-inds、現在ならJO1、INI、BE:FIRST、Da-iCEなどが出演できていません。
これらのグループの出演が叶わないのは、過去にジャニーズ事務所がMステに掛けたプレッシャーに起因すると考えられます。実際に2019年にジャニーズ事務所が公正取引委員会に注意されたり、「Mステ」の皇達也プロデューサーがジャニー氏が亡くなったときに、週刊新潮でジャニー喜多川氏からタレント引き上げをほのめかされたことを証言しています。
もちろん現在は単にテレビ朝日がジャニーズ事務所にビビりあげているだけの忖度だと推察されます。こうした構造とはですね、タレントがジャニーズ事務所を退所すれば芸能界を干されるなど、厳しい状況に置かれるためになかなか離れられず、結果として性加害を受けなければならないという事態を招いたと思います。
テレビ局が共犯と言えるのは、まさにこうした点にあります。最近ではですね、キンプリをやめた平野紫耀さん、神宮寺勇太さん、そしてIMPACTorsだったIMPがジャニーズを退所してTOBEに移籍しましたが、この忖度状況がある以上は、これから彼らがどれほど地上波で活躍できるかはわかりません。また元SMAPの「新しい地図」の3人も地上波復帰には相当時間がかかりましたし、さらにテレビ東京の香取慎吾さんのドラマ主題歌に関しても、忖度で変更されるなどがありました。
また被害者であるカウアン岡本さんや橋田康さんもジャニーズ忖度によって芸能活動がままならないことについて話しています。また、JO1、INIのメンバーに一人ずつ元ジャニーズジュニアがいて、そしてBE:FIRSTのプロデューサーの日高さんも元ジャニーズジュニアだとされてます。
ここで質問です。東山さん、ジュリーさん、こうした忖度は、まだ続いた方が良いとお考えになるのでしょうか。もし続ける必要がないとお考えになるのであれば、ここでJO1やBE:FIRSTなどの競合グループがミュージックステーションに出ることや、平野さんや神宮寺さんがこれまで通りテレビ出演できること、元SMAPの3人、そして何よりカウアンさんや橋田の活動を妨害しないことをここで明言していただけないでしょうか。
東山 もちろんです。
松谷 はい。忖度の解除を求めるのも変な話だと思います。思いますが、今も忖度を続ける一部のテレビ局の幹部は、戦争が終わったことを信じられずにジャングルからなかなか出てこれない日本兵みたいなんですね。ですから形式的ではありますが、残念ながらね、ここね、上官の命令が必要なんです。
東山 はい。
松谷 ですからぜひ今ここでもう一度改めて忖度、圧力は必要ないというふうに、もう一回お願いします。明言してください。
東山 あのー必要ないと思ってます。
松谷 はい、そうですね。ありがとうございます。
東山 あのー、ホントに先ほども言いました通り、ファンの人たちがいてこそなので、これは忖度とかそういうもの関係なく、あのー、公平に行くべきだなと僕自身も思っております。
井ノ原 結構、僕も東さん、こういう立場になって、「これはなんでこうなんだろう?」って疑問に思うことが結構あったんですよ。なんでこうなの?って言ったら、昔ジャニーさんがこう言ったから、メリーさんがこう言ったからってのをきちんと守ってきたちょっと昔のタイプのスタッフがいたってことも事実です。
「なんで?なんで、それ?変えようよ」ってのは、毎日言ってます。だから、忖度なくしますって言っても、急になくなるもんじゃないと思うんですよ。それOKっておっしゃいましたけど、そういうもんじゃないと思うんですよ。だって、多分??さん(聞き取れず…)もやめろって、わかんない、最初は言ったかもしれない。でも、そのあとはずーっとそれが続いてるだけだと思うんですよ。それ正さないといけないと思ってて、だから毎日やってんっす。東山さんも、毎日「何これ?」ってのはあると思います。だからそれを一つひとつやっていくってのが、あの、芸能の仕事をされていたら、それができないってのをおっしゃってくださって、僕らは(東山さんに)憧れていたので、続けて欲しい気持ちはありますが、それだけ忖度って日本に蔓延ってるから、これを無くすのはホントに大変だと思います。だから、みなさんの問題でもあると、一緒に考えていく問題でもあると思いますから、そこらへんは、ご協力いただいた方がいいと思います。
記者会見をもとに、著者が文字起こしをしました。
この記事の視点
この問題が、閉じた心を持つ人と通じると思うのは
- 忖度が働いていた
- 適度な忖度は気配り、思いやりにも通じるが、行き過ぎた忖度は自分の心を閉ざし、緊張状態となる
- つまり、閉じた心を抱えて生きるのは、親や上司などの他者との関係性でそうなったケースが多いこと
- 忖度は、他者との関係でも、閉じた関係で起こりやすい。そして、オープンにできない闇(心の闇)が深まってしまう。(弱者、強者のいずれにも)
- 親や上司はすぐには変わらない(人は変わらない)ので、協力の得られる人を信じて変わっていくことができる(引用した会見の最後に井ノ原氏が、こういうことはすぐには終わらない。事務所側も改心するが、メディアも相互監視で力を貸して欲しいと言っています)
- なぜなら、忖度が重んじられる組織は、閉じていたからだと思います。
- 子どもが親の顔色を伺わないといけない家庭も、同様に閉じているのだと思います。
- 相互監視で乗り越えられる可能性があることは、良いことだと思います。
だから、心を閉ざしているのは苦しいから、親しい人や信頼できる人を見つけて、積極的に、自分の気持ちを掴む行動を起こしてほしい。
子どもなら、家庭は閉鎖的な組織だから、友達や、塾の先生、学校の先生、近所の人など、信頼できる人を見つけて、自分の気持ちを表現してみてほしい。
その上で、自分にできることはなんでしょうか?
・自分の気持ちを素直に見つめる
・喜怒哀楽、感じている気持ちがあれば、そのまま言葉にしてみる(例:今、悲しい。今、うれしいなど)=なんでもないフリをしないことが大事!
・心を許せる人がいたら、その気持ちを伝えてみる
こうやって、自分の気持ちを少しずつ言葉にすることがとても大切です。
素直な気持ちでいいのです。


道徳的に正しいと思い込んでいる気持ちをいう必要はありません。
そして、自分の気持ちに耳を澄ませ、その気持ちと向き合い、ノートに記したり、親しい人に話をしながら、自分の本当の気持ちを、言葉を取り戻して欲しいと思います。
言葉に携わる仕事をしていながら、このことが生きていく上で最も大切だと感じています。
幼少期に親の顔色を見ながら育った人は、自分の心を閉ざしたままの状態で成長していることが多く、大人になっても無意識のうちに忖度をしたり、逆に、人に忖度をさせてしまう関係性を築きがちなように思います。
それを避けるために、小学校の高学年あたりから、信用できる大人や友達との会話って大事だと思います。



または、このようなレッスンがあります。
よかったら、やってみてください。
僕もやってみました! 素直な気持ちを出す練習になりましたよ。
自分の気持ちの捉え方、他者への感情の扱い方など、順序立てて構成されているので、小学生のお子さんなら、大人が先にやってみるのも面白いと思います。
私も、知人と実際にしてみましたが、お互いの視点の違いに驚いたり、そこから話が広がったりして盛り上がりました。
心の解放は、肉体の解放か
肉体と心は繋がっているので、鬱々した気分の時に、走るとか、汗を流すことで、すっきりした経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
ヨガで瞑想のような時間を過ごすのもいいですし、


ホットヨガで、滝のような汗を流すのも、おすすめです。
ご夫婦でしてみるのも面白いかも知れません。
ご自宅でできるプログラムもありますので、ぜひ身体から心にアプローチしてみてください。
この機会を捉えて、心を開いて生きてみませんか。




コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 最後までお読みいただき、ありがとうございました。自分の気持ちの言語化が苦手な方には、こんな記事もぜひお読みいただきたいと思います。 […]