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現代文勉強法「本を読めば成績上がりますか?」

目次

「読めばできる!」のウソ&ホント

8年間、国語塾を主宰していると、必ず毎年「たくさん本を読めばできるようになりますか?」という質問を、生徒からも保護者からもいただきます。

僕自身も子どもの頃、親や先生などにそのように言われて育ってきた記憶があります。しかし、僕は当時それほど本を読む方ではありませんでした。それでも、日本語だから平均点前後を行ったり来たりしていました。本が好きな友達は、国語のテストができていた人もいれば、そうでない人もいました。

果たして、多読は国語の成績をあげてくれるのでしょうか?

こんにちは!現代文講師の香山です。
今日も大切なお話をしますね!

この記事を読んでわかること

  • 多読のメリットとデメリットがわかります。
  • 国語の成績を上げるために、今日から具体的に何をすべきかが分かります。
  • おすすめの問題集を教えます。

先に結論をお話ししますね!

多読のメリット&デメリット(経験をもとに)

  • メリット
  • 活字に慣れることができる
  • 長文化する試験問題に対して、量の抵抗が減る
  • 言葉や概念を覚えることができる

デメリット

・自分勝手な読み(間違った方法)に陥ると矯正に時間がかかる場合がある

⇨だから、多読が国語の成績に直結するとは言い切れない

⇨国語の成績を上げたいなら、読書よりもやるべきことがある!

メリットはありがたい一方で、デメリットに大きく引っ張られて、多読は決して国語の成績に直結しているとは言い難いのではないかと僕自身は感じています。

僕は、国語の学習塾を開いて、この記事を書いている段階で8年目になります。この感覚は、8年間生徒を見てきた実感です。

僕も、小中高と、国語はセンスだ! 本を読めばなんとかなる!と思い込んでいました。小中高と読書をすれば国語の成績は上がると思っていました。しかし、問題は、「読み方」だと気づいたのです。「正しい方法」を知らずしてバットを振り回しても、打てるようにはならない。この当たり前のことが、読解にも言えることを知ったのです。正しい方法を知った僕は、当時の大学入試センター試験の現代文で満点が取れました。

日本語ですから、文字は読めちゃうんですよね。識字率は、日本はほぼ100%ですから、今、この記事を読んでいる高校生の君も、記事は読めていると思います。しかし、「字が読める」ことと、「文章内容を正しく読み取れている」ことは、全く別物です。私たちの多くは「字が読めている」ことを、文章が読めたと錯覚している場合が多いように思います。

僕の塾では、「満点国語」を掲げています。毎年のように高校生は校外模試で現代文満点、共通テストでも満点が出ています。それは、「正しく読めて」います。では、正しい読み方、自分勝手な読み方とは、なんでしょうか?

「自分勝手な読み」とはなんだろう?

例えば100行の文章を読めば、100行全てを正しく理解することはありません。必ずそこに「光」と「影」ができます。光とは、意識がはっきりしていて、わかる!という状態。小説などで感情移入できるのは、光の部分です。「そうそう!」「わかる!」「わたしも同じ!」という意識。極めて主観的な読み方だと言えます。

一方の影とは、意識のぼんやりしている箇所。はっきりと理解できなかったり、なんとなく読み飛ばしたりしているところです。人は、「光」だけを読み繋いで「読めた!」と言っているのです。それは、誰にでも起きることです。読書好きの人だって、こういうケースが多いものです。

「趣味の読書」と「国語の試験」は別物

光となった部分だけを読み繋いで読めたとする主観的な読み方を、国語の試験に当てはめることはできません。あなたがどう感じようが、その主観に採点はできないのです。日本国憲法にも思想の自由が謳われていますから。どう感じようと、自由です。

「次の文章を読んで後の問いに答えなさい」

おおむねこのような一文で問題は始まります。これは

「次の文章を読んで、筆者の言いたいことを正しく捉えて、後の問いに答えなさい」

と読み替えることができます。

後の問いとは、正しく読めたかを確認するものです。

ここで言う「正しさ」とは、客観性です。

光の部分だけを読み繋いでいくことなく、影の部分も正しく理解して、書かれていることを正確に読み取れと言うことです。

これ、大学に入って研究をする人には、とても大切な力になります。

何度か地元の大学に「論理的に読むこと、書くこと」について教えに行ったことがあります。(後ほど説明しますが、論理的=客観的に正しくという意味です)大学の1年生の授業でしたが、教授が「論理的に読める、書けるというのは大学に入ってくるまでに身につけておいて欲しいのですが、必ずしも全員がそうではない」と仰っておられました。大学での学びの基礎として、このような力は必須となります。

また、私自身も学術論文を何本かおさめていますが、書くためには学ぶのですが、膨大な論文を読めずして書くことはできません。読むときに、自分の都合よく解釈して引用しても、その論文は学会の審査に通りません。あくまでも、書かれてあることを正しく読み取る力が前提です。つまり、自分勝手に読んでいては学問にならないのです。自分勝手にバットを振り回しても試合にならないのと同じこと。だから、全ての大学入試に国語が科され、論文の読み書きの基礎力がありますか?と問われているのです。

客観的に読むとは?

では、「影」となる部分も含めて正しく読み取るにはどうしたらいいのでしょうか?

これは、関係性を読み取る意識が大切です。

筆者が立てた筋道、このことをここでは「論理」と言いますが、論理を追う読み方のことを言います。
筋道は、たったの3つ。

1. イコールの関係
2. 対立関係
3. 因果関係

これらの関係性をつかむことで、影の部分にも理解が及びます。

例えば、筆者の主張がぼんやりとしてわかりづらい。だったら、筆者がその後に「例えば」といって具体例を挙げて説明をしてくれているのだから、「イコール」です。そこと「重ねて」読めば、主張は理解することができます。

この「関係性」を読み取る「見方」が定着していて、かつ「たくさん本を読む」となれば最強だと言えます。

しかし、主観的な読み方でいくら本を読んだところで、誤ったフォームが固まる一方で、むしろ状況は悪化するというものです。

論理的読解法に基づいて解説をされた問題集

国語は論理だと主張されたのは、出口汪氏です。
30年あまり前、大人気講師で、予備校に行かないと受けられなかった学びが、今では書店で誰でも学べるようになっています。

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この記事を書いた人

「満点国語」を標榜した国語単科塾を主宰。毎年のように、高校生に模擬試験や大学入試センター試験で、現代文満点を出しています。生徒を実際に教えながら積み上げたノウハウを、ウェブでも公開いたします。

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