結論
英文にある英単語を1つずつ日本語に置き換えて、それらしい日本語の文を作る。
そういう読み方をしている限り、英語の力はつきません。今日の結論は、
これを逆に読むと、意味は、文型が決めるのです。文型は動詞が決める。
ということは、できる人の目は、英文を見ると「動詞」に注がれます。
動詞を見て、文型を理解して、意味をとる。
わからない単語を類推しなさいと先生は言いますが、類推できるのは、文型が見えているからできるのであって、何も手がかりのないところで類推はできません。
ネイティブは、このような規則を経験的に習得します。最初は親の言葉を聞きながら、それを真似て、間違いながら、修正を加えながらルールを学びます。母語が英語ではない人は、まず規則を知ってしまうことが習得の近道です。この文型と動詞の関係を知らなくても、経験的に英語を使っていると運用できるようになる道もありますが、それは経験的に法則を会得しているからです。先に会得した方が使いやすくなるルールを整理してしまいましょう。
*ここでは「動詞が文型を決め、文型が意味を決める」という「見方」の根幹をお話しします。幹に対して枝葉は当然ありますが、その部分はここではお話ししていません。それは、この見方ができれば自分で膨らませていくことが可能です。機会があれば、そのような記事もまた挙げようと思います。ご了承ください。
前提
*文型とは
文型とは、主語、動詞、目的語、補語という要素から構成されるもので、「構文」と言ったりします。
ある一文の文型を知るには、
・どれが主語か
・どれが動詞か
・どれが目的語か
・どれが補語かを
知る必要があります。
*これから使う記号
文型を表すのに、SVOCという記号を使います。
まず、これが何を意味しているのかを理解してください。
*品詞とは
僕たちは、これからたとえば「主語はどれか?」「目的語はどれか?」などと英文を見ていくのですが、探すときの根拠は何でしょうか?
それは、品詞です。
品詞とは、名詞、形容詞、副詞。
その性質をまずは知らないと、構文を取ることが難しくなります。覚えてください。
名詞(n:noun)の性質
主語(S:Subject)、目的語(O:Object)、補語(C:Complement)になる。前置詞の目的語(O)になる。
形容詞(a:adjective)の性質
名詞、代名詞を修飾する。補語(C)になる。
副詞(ad:adverb)の性質
名詞以外(動詞(V:verb)、形容詞(a)、副詞(ad))を修飾する。文全体を修飾する。
第Ⅰ文型:SVと第Ⅲ文型:SVO
これは、第Ⅲ文型と一緒に見ていくことで違いがわかり、その違いから動詞に対する理解を深めましょう。
第Ⅰ文型:SV
第Ⅲ文型:SVO
違いは、動詞(V)の後ろに目的語(O)があるかないかですね。
動詞には、目的語を必要とする動詞と、必要としない動詞があります。
日本語で目的語について考えましょう。
目的語とは「〜を、〜に」です。
例えば「食べた!」と言われると「何を?」と思うでしょ?
食べるという動詞は、目的語を必要とします。
例えば、「寝る」「泣く」「笑う」という動詞を聞いても「何を?」とは思わない。
目的語を必要としない動詞です。
と言います。
で、最初に戻ると、「動詞が文型を決める」ので、
自動詞なら第Ⅰ文型(SV)
他動詞なら第Ⅲ文型(SVO)
それぞれどんな動詞が自動詞か、他動詞かというのを知っておくと構文を取っていくのに便利ですが、ⅠとⅢについては経験的にその単語を増やしていくので良いと思います。
その文型を取る動詞を事前に知っておいた方がいいのは、以下で説明する第Ⅱ/Ⅳ/Ⅴ文型です。
第Ⅱ文型:SVC
この文型を取る動詞はbeVと知覚感覚動詞。
知覚感覚動詞とは、五感(聴く、視る、臭う、味わう、触る)つまりlook/smell/sound/taste/feelなど。
He looks happy.
HeがS、looksがV、happyがC。
この文型の特徴は、He=happyとイコールの関係が成り立つこと。
迷うなら第Ⅲ文型(SVO)ですが、
例えばI eat lunch.
⇨IがS、eatは「食べる(V)」ですが、「何を?」と思うので目的語を必要とする他動詞。lunchがOです。
この場合、私は、ランチではないので、I≠lunchで、イコールの関係が成立しません。
また、happyは、形容詞。形容詞は補語にはなっても、目的語にはなりません。(上の「品詞とは」を確認)
さらに、ここで認識を新たにして欲しいのは、beVは「です、ます」ではない!ということ
I am a high school student.という場合、amは、「です」ではありません。
私が、高校生という「存在」「状態」である、という
I= a high school studentのイコールの役割をするのがbeVです。
・beVから第Ⅱ文型と理解し、その文型はS=Cという意味を与えてくれている
だから、正しく訳せるのです。
第Ⅳ文型:SVOO
この文型を取る動詞も核となるものは覚えた方が早いです。
give, tell, show, teach, lend, offer, buy, order, prepare, chooseなどこれらの動詞群を「授与動詞」と言います。
人に与える系です。ポイントは「人に物を与える」。
つまり動詞の後ろのOOと並ぶ語順は「人」「物」の順です。
目的語の品詞は名詞ですから、名詞が2つ以上並ぶので、文型という見方をせずに混乱する人は、この辺りからふわっとしてきます。
He gave me a cake.動詞が文型を決めるので、
gaveを見ると「授与動詞」=第Ⅳ文型!=人に、ものを与える。
⇨me私に、a cakeケーキを与える、彼がやったことですから、彼は私にケーキをくれた、となります。
これも、ご自身で、授与動詞群を増やしていってください。
第Ⅴ文型:SVOC
第Ⅴ文型こそ、動詞を見て、Ⅴ文型と反応できるようにならないと、さっぱりわからないと思います。主な動詞として、name ,make get, call, find, leave, set ,keep ,drive ,paint, electなど。
He made me happy.
この例文で、「動詞が文型を決める」なら、madeは、第Ⅲ文型も第Ⅴ文型も取り得ます。第Ⅲ文型なら、「作る」で「彼は私を作る」ですが、その後ろのhappyがどうとも処理できない。Ⅲの可能性を否定し、happyをみた瞬間にⅤに頭を切り替えます。happyは形容詞。形容詞は補語になる(上の「品詞とは」を確認してください)のでSVOCが完成します。
この場合のOとCの関係は、S’V’。これも大事。「私が幸せになる」と訳せることが大事。これは短い文ですが、長い文となれば、この関係を知らないと、何を言っているのかさっぱりわからなくなります。
じゃあ、HeというSはどう訳すのか? 第Ⅴ文型のSは、「副詞的に訳せ」。ざっくり言えば、原因を表すと思えばOK。「彼が原因で」私は幸せになった。プラスのことですから、「彼のおかげで、私は幸せになりました」と訳せます。
以上、駆け足ですが、何度も見て
「英文は動詞が文型を決める。文型が意味を与えてくれる」を理解してください。
これが、母語が英語ではない日本人にとって、英語を攻略する土台となります。
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