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高校現代文「論理的読解法って何?」

目次

字が読めることと、文章が読めることは別だよ!

国語の学習、特に高校生の現代国語/現代文の学習は

1.正しい読み方を身につける

2.その読み方を活用して「現代」について理解を深める

この2つです。この記事では1.の正しい読み方についてお話します。

正しく読めることを、漢字の読み書きのように、文字が読めることと勘違いしていませんか? この国の識字率は99%程度ありますので、多くの生徒は文字列を読みはできますが、それらのまとまった文章の意味を正しく捉えるにまでは至っていないように思います。

  • 国語のテストはいつも平均点前後だ
  • 勉強しなくても、平均点はある
  • しかし、それ以上、点数が上がらない
  • 上げる方法もわからない
  • しかし、なんとかしたい!

という人にこの記事は最後まで読んでほしいと思います。

そもそも、国語は、読めれば終わり!の科目です。

特に高校生は新出漢字もそれほど多くはなく、模擬試験などでは読解問題が2つ。200点満点中の100点と半分を占めます。歴史のように、時代によって得意/苦手が出るわけでもなく、いつも安定して読解できれば、満点が狙える科目です。

大学入試共通テストを受ける生徒は、高校生の早い段階で国語のスコアを安定させて、模擬試験全体の点数の土台として100点を確かなものにしてほしいと思っています。

僕の愚かな経験から

こんにちは!
現代文講師の香山です。

そうは言っても、僕自身も根拠のない自信がありました。国語なんて勉強しなくても点は取れる!と。そう思いながら、高校3年間、常に平均点前後をウロウロ。でも、何をやっていいかわからない。結果、現役での大学入試は失敗し、浪人しました。予備校で出会った出口汪先生の言葉が今でも頭に残っています。

「次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。国語の問題って、その一文で始まるよね。どういう意味? 次の文章を読んで、書かれてある内容を正しく捉えなさい。という意味であって、自分がどう感じたか、考えたかなんて聞かれてないよ! そもそも感じたことや考えたことに採点するのは思想の自由を謳った憲法違反です」。

あっ!と思いましたね。僕は、自分がどう思ったか、どう感じたか、常に批判的にまたは共感的に自分の気持ちを存分に働かせながら読んでいたことに気づいたのです。共感できる部分はよく理解し、共感できない部分はぼんやりとしか読めていない。そんな状態で問題を解いても、正しく解答できるはずもありません。

この記事の著者/香山のプロフィール

浪人時代に「国語は論理だ」と主張する出口汪氏の授業を受け、50台の偏差値が秋の代ゼミの模擬試験で72まで急騰。自身のセンター試験では現代文評論が満点。2015年からは、「国語はセンス」と思い込んで具体的な勉強法に迷っている小中高既卒生に対して、国語単科塾を主宰。共通テスト現代文満点、校外模試でも同様に現代文満点(全国1位)、偏差値77(国語全体)、志望校合格など、毎年嬉しい生徒の成果を頂いています。

人はみんなそうなんだ!

はっきりと読めたところと、ぼんやりとしか読み取れないところがある。100行の文章を読めば、そこに光と影ができるのは、誰にでも起こることです。(このことは言語学者の外山滋比古さんが仰っています)

その光の部分だけに焦点を当てて、光だけを読み繋いで「わかった!」「読めた!」と言っているのですが、当然、問題は多くの人が影となるであろう難解な箇所を狙ってきます。

その影も含めて、全体を正しく読むにはどうすればいいのでしょうか?

それが「論理的読解」です。

僕は、この方法をマスターして、当時の大学入試センター試験の評論で満点が取れました。

この記事を読んでわかること

・論理的読解法とは何かがわかります

・その観点で演習できる効果的な問題集を紹介します

10分程度で読める記事です。
頑張って最後までついてきてくださいね!

字面を追うな! 関係性を追え!

これ、鉄則です。

言葉と言葉の前後の関係や、意味のまとまりである段落と段落の関係性を捉える意識が、論理的読解の始まりです。

関係性には3つしかありません。

1. イコールの関係

2. 対立関係

3. 因果関係

筆者は、この関係性を駆使して筋道を立てて、不特定多数の人に自分の考えが正しく伝わるように文章を書きます。

この筋道のことを「論理」とここでは言っています。

論理的に読むとは、筆者の立てた筋道を正しく追うことです。

これ、何も特殊なことではありません。

イコールの関係

小学3年生の息子だって、論理を駆使していました。

近所の幼稚園児と遊んでいた時のこと。

息子「色おにしよー!」

幼稚園児「色おにって何??」

息子「例えば鬼が赤って言うと…」

具体例を挙げてわかりやすく説明しようとしているのは、論理そのものです。

筆者も、自分の意見と同じことを言っている人の言葉を引用します。イコールです。文化論などでは、俳句や和歌などが引用されることがあります。それ自体読めたに越したことはありませんが、読めなくても、筆者の主張とイコールなら、重ねるように読めばいいのです。和歌や俳句を自分勝手に解釈しようと試みることはありません。

対立関係

高校現代文の多くは、現代の日本について書かれた文章です

それに対して、筆者は西洋と比べたり、過去の日本と比較したりします。

まったく反対のものと比べることで、自分の考えが強められるからです。

真っ白な服に、黒いアイテムを添えると、白が際立つというものです。

因果関係

「こうだから、こう」と原因と結果、理由と結論を示すことで、説得力は高まります。

結果だけ言われても、「なんで?」と人は思うものです。

原因や理由が述べられてはじめて「だから」と言われると、「あーそうか」と納得するのが論理です。

接続語と指示語が関係性をはっきりさせてくれる

関係性にあるイコールとは、数学のイコールのまったく同じです。

ですから、国語の読解も数学のように明晰にただ一つの解しかないように読むことができます。

そのただ一つの読み方のポイントとなるものが接続語であり指示語です。

*国文法の「接続詞」に加えて、「つまり」「すなわち」のように、副詞だけど関係性を表す言葉と捉えた方が理解しやすいものを含んで、ここでは「接続語」と言います。

○「イコールの関係を表す接続語 例えば、つまり、など

○対立関係を表す接続語 だが、しかし、など

○因果関係を表す接続語 だから、なぜなら、など

指示語は、同じこと(イコールの関係)を繰り返したくないために用いられるものです。

読解の際には、指示語や接続語に注意することで、関係性を正しく追う助けとなります。

先が予測できると最強!

先が正しく予測できることも、読解力を支える大切な力です。

例えば

  • 僕はかけっこの練習を頑張った。だから、
  • 僕はかけっこの練習を頑張った。しかし、

それぞれ、次に来る内容は予測がつきますよね?

  • は、うまくいった、優勝したというような内容
  • は、うまくいかなかった、負けたというような内容

このように、接続語は、先を示してくれる灯りです。

初見の文章をおっかなびっくりで読んでいるときに、こういう灯りが先を照らしてくれる。だから、読み方の確かさが増し、読み違えることが減っていくのです。

ぜひ、接続語を見れば、その先を予測する癖をつけてください。

そして、このような関係性を意識する読み方は「見方」です。

文章に対する正しい「見方」、つまりメガネが正しくハマれば、生涯に渡ってその力は武器となってくれます。

簡単な文章から順に、ぜひ演習を繰り返して、正しい見方を定着させてください。

そのためには、このような見方で解説をされた出口汪先生の書かれた問題集をお勧めします。

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この記事を書いた人

「満点国語」を標榜した国語単科塾を主宰。毎年のように、高校生に模擬試験や大学入試センター試験で、現代文満点を出しています。生徒を実際に教えながら積み上げたノウハウを、ウェブでも公開いたします。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • […] 高校生になると、国語の選択科目に「現代国語」とか「現代文」などと「現代」とついてくることが多いですが、この「現代」って何でしょうか? 意外と知らなまま、何となく出される文章を読んでいる生徒が多いのが実情ではないでしょうか。現代文ができるようになるには、「読み方」と「内容理解」の2つの観点が大切です。読み方は「論理的読解法」。(まだ読まれていない方は、ぜひお読みください)。内容理解の観点からは「現代」とは何かを知っておくことが土台となります。単なる教科の名前を超えて、とても意味のある「現代」という言葉を、この記事を読んで理解して欲しいと思います。 […]

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