クリックすれば好きなところに飛べる目次です!
読解力って、どうやったら上がるの?
たしかに、読解力は、暗記のようにすぐに成果が出るものではありません。そして、国語はしょせん日本語だからと言って何もしないか、センスや勘に頼る発想をする生徒が多いのも事実です。でも、ここで断言します。読解力を磨く正しい方法はあります。それは、小手先のテクニックなどではありません。日本語の文法規則に基づいた正しい「見方」なのです。
この記事を読んでわかること
この記事では、日本語の文法規則に基づいた正しい「見方」の一つ「主語と述語」に着目をしたお話をしていきます。それも、「読むための文法」という観点でお話をしますので、この記事を読み終えたら、すぐに読解に使えます。もちろん、そのような具体例を記事の中で示します。
この記事を読んでいただくと、
- なぜ読解に主語と述語が大切かが理解できます。
- 主語と述語を正しく捉えることが、問題を解く時にも有効であることがわかります。
- そのために必要な問題集がわかります。
毎年どの学年でも実績あり!の驚異の国語
こんにちは。現代文講師の香山です。
今日も読んでいただき、ありがとうございます!
国語の長文読解の問題は、自分の感じるまま、思うままに自由に読んでいいんだ! そう思っていたのは、僕自身です。だから、いつも平均点前後をウロウロしていました。それが、浪人をして予備校で国語を学んだのち、当時のセンター試験の評論問題で満点が取れました。その時、確かに意識をしていたのが、今日お話をする「主語と述語」です。
さらに、僕が高校生に現代文を教えている8年の間にも、この記事の内容と同じことを指導して、毎年のように共通テストの現代文満点、模擬試験で現代文満点(全国1位)などが出ています。
今からお話する「主語と述語」は、とても簡単なことのように思えますが、このような実績の土台となる最も重要な内容の一つだと思って、最後まで読んでいただければと思います。
この記事では
・国語とは、読解力の土台の一つである「主語と述語」を「読むための文法」としてお話をします。
・読解力を支える力とは何かがわかります。
・その後、その力が無理なく身に付く問題集を紹介します。
ゆっくりでもいいので、国語に対する正しい認識とその勉強法について、最後まで読んでください。
超重要! 一文の要点は「主語と述語」
東大の国語の問題でも、傍線を引っ張って問われるのは、たった一文です。その一文について正しく理解できずして正解には辿り着くはずがありません。どんなに長くて複雑に思える一文でも、要点は「主語と述語」。まずは、このことを頭に入れてください。
例を見てみましょう。
例文 陽の光が、さんさんと降り注いでいた。
この文の要点は何でしょうか?
一文の要点とは、主語と述語です。ですから、
「陽の光が、降り注いでいた。」これが要点です。
子どもがよく間違うのは、「さんさんと降り注いでいた」です。「さんさんと」という様子が強く印象に残るのでしょうが、一文の要点は、あくまでも主語と述語。このことをしっかりと頭に入れてください。
日本語はそのようにできている!
これは、受験のテクニックでもなんでもありません。
日本語の特性として、一文のポイントは主語と述語に来るようにできています。
私たちは、文章の書き手としても読み手としても、その共通の認識のもとで、意識的にか無意識的にかは別としても、日本語を使っているのです。
主語と述語をおさえれば、スッキリ読める
主語と述語を押さえると、複雑な文でもスッキリと読むことができます。
より抽象的な表現が結果としていっそう具体的なイメージを生むというメカニズムを、ことばであげつらうと、こういうやっかいな、くどいありさまとなるが、私たちの言語認識の能力は、むしろこのような意味の膨張・収縮を自在に適応する弾力性をそなえているからこそ、一瞬のうちに、無自覚のうちに比喩を読み取ってしまう。
(引用:「レトリック感覚」佐藤信夫著 講談社学術文庫)
この文の要点は何でしょうか?
一文の要点とは、主語と述語ですから、意味としてまとまりのある部分を取り出しますが、
主語は「私たちの言語認識の能力は、」
述語は「一瞬のうちに、無自覚のうちに比喩を読み取ってしまう。」
これが、この文の要点です。
どうですか? 長い文でもスッキリしたでしょ?
問題を解く際にも、使える「主語と述語」
一文の要点は主語と述語である
という見方が定着すると、次のような問題は簡単に、かつ根拠を持って解くことができます。
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日本人がどれほど静けさを愛したかは、たとえば、つぎのような歌を思い出すだけで充分であろう。
わが屋土のいささ群竹ふく風の
音のかそけきこの夕(ゆうべ)かも
夕風にそよいで、かすかな葉ずれの音をたてている群竹。作者の大伴家持は、その静寂にじっと耳を傾けている。このような、かそけき音に引かれている心の姿というものこそ、日本人特有の姿だった。
———————————問 傍線「日本人特有の姿だった」とありますが、どのような姿でしたか。文中から13字で抜き出しなさい。
引用:論理エンジン 0S3誌上講義「かそけき音に引かれている心の姿」(水王舎)
この問題となっている傍線部は、述語です。
主語を探すと、「こそ」と強調されていますが、「かそけき音に引かれている心の姿」が主語。
それが、述語「日本人特有の姿」だと言っているのですから、答えは、主語である
「かそけき音に引かれている心の姿」しかありません。
主語と述語をおさえて読んでいくことで、解ける問題です。
英作も楽々! やっぱり「主語と述語」
主語と述語をおさえることの重要性は、英語にもつながります。
この意味でも、言語の本質的な見方に通じるものだと僕は考えています。
英作の例を見てみましょう。
問 次の日本語を英文にしなさい。
・向こうで本を読んでいる少年は、私の息子です。
こういう問題も、まず主語と述語をおさえます。
主語は「少年は」、述語は「私の息子です」。
The boy is my son.
これがまず文章の要点であり骨組みです。ここに飾りの言葉を足していく。
少年に対して、「向こうで本を読んでいる」という言葉(2語以上)が修飾しますから、後置修飾として
The boy (who is) reading a book over there is my son.
となります。
あくまでも、主語と述語が文の骨として書けることが第一のステップ。次に、修飾する言葉を考える。漠然から詳述へ、という英語の特性を考えても、主語と述語を真っ先におさえることは理にかなっています。
問題をこなして「見方」を定着させよう
文章を読むとき、「主語と述語を意識しよう」と思っているうちは、まだまだです。自転車に乗る感覚と同じで、そのことに意識を奪われているうちは、身についたかどうか怪しい状態です。身体化、血肉化するまで、何度も「主語と述語」に意識をしながら文章をスッキリと読めるようになることが大切です。
そうなれば、読解力の土台が正しく築けたと言えるでしょう。
・読解力とは文章を正しく読み取る力で、そのための土台が主語と述語という「見方」だ
ということをまず理解してください。
この見方で練習できるおすすめの問題集をピックアップしておきます。
まとめ
「どうやったら、読解力が上がりますか?(誰でもできる!主語と述語)」をお話してきました。
一文の要点は、あくまでも主語と述語。このことをおさえたら
・正しく、スッキリと長文が読める
・問題の解法にも使える
・英作にも応用できる
など、やはり、日本語の特性として、主語と述語が要であることは、言葉の本質なのです。
これは、覚えることではなく、「見方」ですから、何度も繰り返し演習を通して身体化して欲しいと思います。
この記事で解説したことを、上の問題集を使って実践練習していただければ、読解力は向上します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんな記事も併せてお読みいただき、どうか国語に対する正しい理解を深めてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ぜひ、主語と述語の力を、実践に生かして、
スッキリと読めるようになってくださいね!