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現代国語の「現代」とは?

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「現代」には大切な意味があります!

高校生になると、国語の選択科目に「現代国語」とか「現代文」などと「現代」とついてくることが多いですが、この「現代」って何でしょうか? 意外と知らなまま、何となく出される文章を読んでいる生徒が多いのが実情ではないでしょうか。

現代文ができるようになるには、「読み方」と「内容理解」の2つの観点が大切です。読み方は「論理的読解法」。(まだ読まれていない方は、ぜひお読みください)。内容理解の観点からは「現代」とは何かを知っておくことが土台となります。単なる教科の名前を超えて、とても意味のある「現代」という言葉を、この記事を読んで理解して欲しいと思います。

この記事を読んでわかること

  • 「現代」とは何かがわかります。
  • わかれば、現代文の問題の文章を速く、正確に理解できるようになります。
  • 現代について理解を深めることができるおすすめの問題集を教えます。

こんにちは。現代文講師の香山です!

この記事の著者/香山のプロフィール

浪人時代に「国語は論理だ」と主張する出口汪氏の授業を受け、50台の偏差値が秋の代ゼミの模擬試験で72まで急騰。自身のセンター試験では現代文評論が満点。2015年からは、「国語はセンス」と思い込んで具体的な勉強法に迷っている小中高既卒生に対して、国語単科塾を主宰。共通テスト現代文満点、校外模試でも同様に現代文満点(全国1位)、偏差値77(国語全体)、志望校合格など、毎年嬉しい生徒の成果を頂いています。

現代文満点の指導実績!

僕も高校時代は何となく「現代文」の授業を受けていました。中学の時まで「国語」と呼んでいた科目の名前が変わったんだなあという程度にしか思っていませんでした。しかし、浪人して予備校で出口汪先生の授業を受けて初めて「現代」とは何かを知り、開眼しました。現代文って、とっても刺激的で面白い!と思うようになりました。今では、高校生に現代文を教えて、毎年のように大学入試共通テストで現代文満点、模擬試験で現代文満点の成果を見ています。僕自身も、当時のセンター試験の現代文の評論で満点が取れました。

この記事を読んでくださっているみなさんも、ぜひ「現代とは何か」をしっかり理解して、どんな問題が出されても楽しんで読めるようになってほしいと思います。

大切なところは何度も読み返して、「現代」に対して理解を深めてください。必ず、問題を解く際に役立ちます。

現代とは

現代とは、近代の終焉である。これが定説となっています。近代とは、封建制廃止以後の時代、つまり明治維新以降、今に至るまでの期間を指します。終焉とは、「終わり」。つまり、近代という時代が終わろうとしている状況が現代です

終わろうとしているというのは、破綻したり、無理が生じたり、継続できなくなったりというネガティブな状況がしばしば取り上げられます。環境破壊などは、そのわかりやすい例の一つです。現代とは、明治時代の文明開花以降、近代化の流れがゆく着くところまで行って崖っぷちに立たされている、そんな時代だというわけです。

現代を捉える2つの観点

それでは、物質と精神、それぞれの観点を詳しく見ていきましょう!

物質の観点からは「合理主義」

物の観点から現代を捉えたキーワードは「合理主義」です。

同じ物をいかに速く効率よく作るか。

「規格化」というのもそこから出てくるキーワードですね。

一品一品違ったものを手作りするのではなく、同じ物を機械で大量に生産することでコストを抑え、安く作る。経済至上主義というのもここから出てくるキーワード。過度な生産競争は、資源の乱獲(環境破壊)や環境汚染を招きます。

科学万能主義、拝金主義なども、根っこはここにあります。

規格化は、思想に及ぶと「全体主義」につながります。

これも大切は現代のキーワードです。今、多様性が盛んに言われているのは、この揺り戻しとも言えます。

精神の観点からは「自我」

一方の精神の観点から大切なキーワードは「自我」です。自我とは、自分という意識。何でこんな当たり前のことがキーワードなのかと思うかもしれません。明治の前、江戸時代は、自分という意識が薄かったと言われています。当時は、藩や家などの集団に生きたのです(「お国のため」と言って戦った第二次世界大戦のことが思い起こされます)。

ですから、属する集団のためなら切腹もできた。おそらく、当時の人は、自分は何のために生きるのかと考えることはあまりなかったのではないかと思います。士農工商という身分制度もあり、武士の子は武士、農民の子は農民というのが自明であり、自分の属する集団に忠誠心を尽くして生きることが全てだったのではないでしょうか。

そのくらい「個人」「わたし」という感覚の薄かったところに、近代化の波によって帰属していた集団が崩壊した。幕藩体制が崩壊し、家という制度が崩壊し、人は集団から切り離された。その時、初めて人は「いかに生きるべきか」という悩みが生まれた。この状況が今でも続いているんですね。これが自我の問題。自我とかアイデンティティという言葉は、このあたりからきている現代のキーワードです。

こういう近代の行き詰まっている状況を描いたのが現代文なのですから、その文章が刺激的でないはずがないんですよ!

乗り越えよう!「ポストモダン」とその先

この近代の行き詰まりを何とか乗り越えようという動きは、もう随分前に出ていますが、そのことを「近代の超克(ちょうこく)」と言います。超克とは、乗り越えること。近代は英語でモダン(modern)。英語では近代の後(post)という意味を込めて「ポストモダン」と言われています。

この現代の課題を捉え、どのように超えていけそうかについて持論を展開しているのが、皆さんが「現代国語」「現代文」などで読んでいる評論文です。

最新の傾向として

先ほど、現代を物質の観点と精神の観点で分けて捉えましたが、ここ数年の間に、その2つの融合とも思える文章が書かれています。AIを話題しにた文章などです。AIはどこまで人間の感情に迫れるのかなどがその一例です。

合理主義の考え方によって機械化した産業は、その進化としてコンピュータを生み、人工知能を生んだ。それは人間との境界を曖昧にしようとしている。手足口などの代わりを機械に託したことで合理主義が極まったかのように思われましたが、その次に頭脳を超えて、さらに精神や感情にも迫ろうとしているのがAIとなれば、それと自己との堺は、相互に入り組んでいるように思われます。

しかし、土台は、「合理主義」と「自我」で、それらが融合しようとしていると見ることで、たった今起きていることを問題にした文章だってスッキリと解くことができます。

まずは、現代文の演習を通して確認しよう(おすすめの問題集)

というわけで、「現代国語の『現代』とは?」についてお話してきました。
高校生の現代文の問題集は、概ねどれもこのようなテーマに沿った演習問題が並んでいます。
しかし、より「現代」という時代を鋭く切り取った良質な問題を集めたという点でおすすめしたい問題集をご紹介させてください。

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この記事を書いた人

「満点国語」を標榜した国語単科塾を主宰。毎年のように、高校生に模擬試験や大学入試センター試験で、現代文満点を出しています。生徒を実際に教えながら積み上げたノウハウを、ウェブでも公開いたします。

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