結論
1.まず試験範囲の文章を音読しよう
2.学校のノートを見直そう
3.提出物を終わらせよう
4.漢字、文法、文学史などの知識問題を覚えよう
以上は、誰でもやると思います。大事なのはここから。教科書やノートを見直すときのポイント。
よく出る問題
そして、文章全体を通して、次のことを捉えようと意識してください。
評論文:筆者の主張をつかまえる
物語文:登場人物の心情をつかまえる
随想 :筆者の心情をつかまえる
詩 :筆者の心情をつかまえる
はじめに
僕が主宰している国語の単科塾では、初見の文章でいかに主観を入れずに客観的に書かれてあることを読み取り、正答を導くかに主眼を置いています。しかし、学校のテスト対策をして欲しいという生徒も中にはいます。そのような生徒に対して、この記事を書いています。
学校のテストは、基本的には学校の授業で扱った文章から出題されると思いますので、学校の授業のノートを見直すことが一番です。先生も、やはりご自身が教えた内容から出すものです。特に、同じ学年を複数の先生が教えている場合、クラスによって指導のばらつきが出ないように、単元ごとのポイントを互いに確認しあって、そこを授業でも強調しているはずです。教える立場からすれば、自分の教えにいっているクラスが、他の先生のクラスよりも平均点が低くなることは避けたいはずだからです。
ですから、授業を聞いて、そのノートを見直すことは大前提。それから、授業で配られたプリントや指定のワーク等があれば、その内容を見直すことも大前提。その上で、復習のポイントを整理します。
基本は音読
学年は問いません。高校3年生だって、音読がいいと思います。読みながら、次のことを意識してください。出題者も良問を作るなら、そこに焦点を当てて作問します。
評論文:筆者の主張を正しくつかまえられたか
物語文:登場人物の心情を客観的につかまえることができたか
随想 :筆者の心情を正しくつかまえられたか
詩 :筆者の心情を正しくつかまえられたか
日本語を味わうようにゆっくり丁寧に音読をしてください。なぜ日本語を音読か、ピンとこないかもしれません。音読は、誤魔化しが聞きません。知らない漢字や言葉を素通りすることに罪悪感を覚え、自然と調べようと思うはずです。
また、文の流れや意味のまとまりを意識して読むようになります。つまり、「関係性」に意識が及びます。「例えば」と同じことを具体的に言おうとしてくれているなとか、「しかし」と対立する話をしようとしているなど、意味のまとまりと意味のまとまり同士の関係性が見えてきます。文章構造や論理展開が理解しやすくなります。文章を目で追い、声に出し、耳で聞きながら丁寧に読む。まずは、このことをやってください。意外と一度も試験範囲の文章を読まずに試験に挑む生徒が多いのが実情です。
関係性を捉えるという視点を養おう
評論文における関係性とは
多くの場合、筆者は具体例を挙げながら自分の主張を展開しますが、具体例と主張は重ねるようにして読むことが大切です。「あれ」と「これ」はバラバラではなく、同じことを形を変えて繰り返してくれていると見る眼を持ってください。
復習のコツとしては、段落(意味のまとまり)ごとの要点を整理し、段落と段落の関係性を理解します。そして、筆者の主張を正しく捉えてください。本文の要約をして、学校の先生に添削をしていただくことができればベストです。
小説問題における関係性とは
趣味で読む小説と、試験で問われる小説問題は、まったく別物と考えてください。趣味で読むときには、感情移入して読んでも問題ありませんが、問題として問われるということは、唯一無二の正解、つまり「そうとしか読み取れない」という正解があるから成立するのです。小説問題で多いのは、登場人物の心情を問われる問題。嬉しいとか悲しいと書いてくれているものは問題にはなりません。そうは書かれておらず、例えば「太郎は、お母さんの足にしがみついてじっと涙を堪えていた」とあった場合、その心情を問うのです。悔しいのか、辛いのか、憎いのか、この文だけではわかりません。前後の太郎の動作、セリフや情景描写と関係付けながら読み取っていきます。
つまり、主に傍線前後の動作やセリフ、情景描写と関係付けながら心情を一つに規定していくという見方です。
随想問題における関係性とは
随想も同じ。随想は筆者の主張を問われますが、これも直接的に心情を述べられていないからこそ、問題になります。問われている箇所の前後を中心に、動作、セリフ、情景描写と関係付けながら読み取ることが大切です。
詩の問題における関係性とは
詩の問題は、作者の心情を問われることが多いです。これも、直接的に心情を述べられていない箇所が問題となります。問われている箇所の前後を中心に、動作、セリフ、情景描写と関係付けながら読み取ることが大切です。
かつ、詩は短い言葉の中で気持ちを伝えるので、修辞(レトリック)が大切になります。繰り返し(反復)、倒置法、体言止め、対句など、筆者の気持ちは修辞にも現れます。その詩の中で使われている修辞について復習することも大切です。
おわりに
僕は、子どもたちに国語を教えていて、何が最も大事かと言えば、文章を通して新しい概念を獲得することによって、そのことについて自分で考えはじめる姿です。例えば、評論文で「自我」について学んだ。筆者は自我の確立を叫ぶ現代に対して「己を低めることが大切だ」と主張しているとするならば、己を低める生き方について自分はどう思うのか、自己の生き方、あり方に思いを馳せることが、何よりも尊い姿だと考えています。
そのためには、前提として、書かれてある内容を正しく(=主観を入れず、ありのままを読み取る)ことが求められます。
学校を卒業しても、より良く生きていく、つまり、精神的な成熟をめざしながら生きていこうとするなら、常に新しい考えを読み、自分の生き方やあり方と照らし、価値観を自ら更新できる方が生きやすいと僕は思っています。その一連のことを、国語という科目ではやってくれています。試験の点数のためという狭い意識をこの際捨てて、より良く生きるために、自分の精神的な成熟を果たすために学んでいるという気持ちで、面白がって勉強と向き合ってほしいと思います。
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