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【受験の真実】甘えの気持ちを断つと、合格できる!

目次

結論

甘えとは、まだ満たされていない愛情のバケツを、まだ親が満たしてくれると思って、受け身で待っている姿勢。受験は、自分の希望は自分で学力をつけることによって叶えていくしかないもので、親からその学力が提供されるわけではありません。甘えの気持ちが抜けないうちは、そのことを理解はしても、いつまでも親の愛をもらうことにこだわってしまうものです。幼少期に愛してくれなかった影響は、根深い。

愛してくれるとは、そのままの自分を認めてくれるということ。条件付きの愛ではない。条件付きの愛とは「テストでいい点数だったからご褒美」「お利口さんにしていたから褒める」というもの。いい点数じゃなくても、お利口さんにしていなくても、親がありのままの姿を受け止めてくれたなら、愛情のバケツは満ちているはずだけど、条件付きの愛しかもらえなかった子どもは、そのままの自分を愛してほしいという気持ちにこだわる。

人からしてもらうことにこだわる。そのこだわりが、自分の成長の足を引っ張ります。愛してくれる親はいないと割り切って、自分で自分を愛して生きようと思わない限り、親への依存心は消えない。依存心が消えない限り、受験を乗り越えることは難しい。

甘えとは何か

人は、ありのままの自分を受け止めてくれる存在に、愛を感じます。親子関係も同じで、ありのままを受け止めてくれた子は、愛情に満ちた心を持っています。ありのままを受け止めてくれない親とは、例えば、「テストでいい点数を取ったら愛してくれる」「いい点数でなければ、怒られる」「おとなしいいい子であれば親は機嫌がいい」「暴れて泣き叫ぶと有無を言わずに怒鳴られて黙らされる」。条件付きで愛された子は、心の中の愛情のバケツがいっぱいにはなりません。そのような子どもは、条件が抑圧となって、自分の素直な気持ちが言えないという特徴があります。

そして、正しいことや「べき論(こうすべきだ!)」ということに敏感に反応をします。親からの抑圧が、それと同じだからだと思います。そうやって、抑圧をする親の顔色を伺いながら生きると、自分で感じることをしなくなり、親の顔色や感情に正解を見出そうとします。自分で考えて判断することもなく、思考停止のまま、ただ親の機嫌を伺いながら生きる、つまり、親に「依存」して生きているのです。その姿勢が染みついたまま受験を迎えても、受験はほぼうまくいきません。

学力は、そのような依存関係では身につかないからです。親は学習計画を管理はできても、その学習内容を自分のものにするのは自分自身です。しかし、当の本人が親に依存し、自らの感情を閉ざし、無条件に親に従う思考停止に落ちっているのであれば、頭は回転していません。いつも親のことが気になって、学習の内容など頭には入ってきません。

甘えがある生徒のよくある行動

1 間違えることを極度に恐れる

⇨だから赤本をしない
⇨だから、テスト直しをしない

これは、間違えることが「悪」だと思い込んでいる現象です。幼少期に間違えたことに対して親に怒られることを繰り返した可能性があります。それは、怒る親に責任があります。間違いは、ただの「事実」であり、そこに怒りの感情をくっつけた親が問題です。人は怒られると、萎縮をして正常な思考や判断ができなくなります。そこで、「間違えること=良くないこと、怒られるに値すること」という刷り込みが起きたのです。

赤本(過去問)に手が出ないのは、できないことが恐怖となるから。できないと怖いから、先延ばしにする。11月に赤本をしようと言っても、まだ勉強が全部終わっていないからやっても仕方ないと逃げの姿勢に出てしまう。いつまで経っても志望校との正しい距離が測れない。だから、手の打ちようもない。成長もない。

テストの間違い直しも、落ち着かない。「間違えた=悪いこと、怒られることをした」という気持ちでは、腰を据えて間違いと向き合うことなどできません。間違えても、直しを曖昧にして終わらせるから、同じ間違いを繰り返し、成長できない。

2 論理的な思考が育たない

論理とは他者意識。自分と人とは感覚が異なるという前提に立つのが、他者意識です。自分の考えは人には容易には伝わらないと思うから、筋道をたてて人に伝えようとするところに論理は芽生えます。「感覚でわかってくれているだろう」という他者との漫然とした一体感の中にいるうちは論理の必要性は生じず、全ての教科の土台は論理なので、いくらがんばても成果が見られなくなってしまいます。

3 一発逆転を狙う行動に出る

「間違い=恐怖」という感覚では、落ち着いて間違いを正すことにつながらず、成長がありません。成長が止まったまま時間だけが過ぎると焦り、状況を覆そうと、一発逆転の発想が芽生えてきます。「これでうまくいけば、全てチャラだ!」と考えてしまうのです。「1万時間の法則」というのがありますが、コツコツと1万時間そのことに向き合うと、やがて成果をみることができるというものですが、それは試行錯誤したり失敗したりしながら、それを工夫しながら乗り越えていくところに成長が見られます。甘えや思考停止状態に陥った依存心のある生徒は、このような経験が乏しいこともうまくいかない理由だと考えられます。

どうすればいいの?

まず、こだわっている親からの愛は、もうもらえないと考えることです。もらえるなら、もっと幼少期にもらえていたはずです。親にしがみついても、もう愛は出てこない、甘えを満たしてくれる親は、もういないと覚悟を決めることが第一です。しかし、これは甘えきっている人からすれば非常に勇気のいることです。依存して常に顔色を窺っている親は、素晴らしいと思い、尊敬しているのです。クソと思いながらも、どこかで尊敬しているから常に気にしている。その親から離れる勇気を持つことが、自分の精神的な自立と成熟のためには必要です。

次に、自分で自分を愛する。自分で自分の気持ちを満たすことを覚える。親はもう愛情のバケツを満たしてはくれないのですから。受験は、その良い機会と捉えることができます。黙っていたら親が学力を授けてくれるわけでもなく、黙っていると自分に適した進路が開けるわけではない。自分で自分を満たそうと試みる成長の機会として、受験を捉えてみてください。

そのために、最後になりますが、自分の気持ちに耳を傾けてみることが大切です。いま志望している学校に、本当に自分は行きたいのか? 親がその学校に入ることを期待しているから志望しているのか? 周りがみんな行くから自分の望みと勘違いしているのではないか? 自分は本当にどうしたいのかを考えてみてください。これまで親の機嫌を伺いながら親に自分の素直な気持ちを抑圧されていたあなたは、すぐに自分の気持ちに素直になれと言われても難しいかもしれません。少しずつ意識をして、自分の素直な気持ちに耳を澄ませてみてください。その気持ちを、抑圧をされていた親の前で言えることも大切です。

まとめ

入試は、甘えを克服するチャンスです。甘えは、思考停止であり、依存心です。依存したままでは、人生を常に誰かに預けている状態で、自分の人生を生きることができません。受験は、そのことを確認できる良いタイミングです。受験を通して、精神の成熟を目指してください。そうすれば、結果の如何に関わらず、受験を通して得るものがあるはずです。人生が決まるのは受験の結果ではなく、甘えの気持ちを卒業できたかどうかだと思います。甘えを卒業できた人は、いくらでも自分の人生を豊かにしていくことができる人です。

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この記事を書いた人

「満点国語」を標榜した国語単科塾を主宰。毎年のように、高校生に模擬試験や大学入試センター試験で、現代文満点を出しています。生徒を実際に教えながら積み上げたノウハウを、ウェブでも公開いたします。

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